【1級FP×宅建士】フラット35からフラット35への借り換えは可能?判断基準・諸費用・3つの目安

フラット35借り換え ファイナンシャルプランナー

住宅ローンを長期間返済している人であれば、今より金利の低い住宅ローンに借り換えれば返済額が減ることを知っているかもしれません。

ただし、2024年以降は金利が緩やかに上昇局面に入っており、「借り換えのタイミングはいつが良いのか」「そもそも借り換えは得なのか」という判断が以前よりも難しくなっています。

 

特に「フラット35を利用中の人が、フラット35に借り換えることはできるのか」というご質問は、相談の場でもよくあるテーマです。

この記事では、フラット35からフラット35への借り換えが可能かどうか、判断の目安、諸費用の内訳、2026年4月時点の金利動向を踏まえた考え方までまとめました。

 

この記事で分かること

  • フラット35からフラット35への借り換えが可能な理由
  • 借り換えが効果的とされる3つの目安
  • 借り換え諸費用の内訳と相場
  • 借り換えと繰上げ返済、どちらが合うかの考え方
  • 金利上昇局面での判断ポイント

そもそも住宅ローンの借り換えとは?

借り換えとは、今まで借りていた住宅ローンの残債を、別の金融機関から新たに借り入れて一括返済する手続きです。借入先の金融機関が入れ替わるイメージです。

 

借り換えの主な目的には、以下のようなものがあります。

  • 金利の低い住宅ローンに乗り換えて、利息の総額を減らす
  • 変動金利から固定金利に切り替え、将来の金利上昇リスクを抑える
  • 固定金利から変動金利に切り替え、当初の返済額を抑える
  • 団体信用生命保険(団信)の保障内容を見直す
  • 返済期間の調整

 

借り換えは、「同じ金融機関内での金利タイプ変更」とは異なり、別の金融機関との新規契約になります。

そのため、新規の借入時と同様の審査・諸費用が発生します。

 

フラット35からフラット35への借り換えは可能か?

まず最初に結論をいうと、フラット35からフラット35への借り換えは可能です。

 

フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する長期固定金利型の住宅ローンです。

どの金融機関から借りても基本的な仕組みは同じですが、各金融機関によって金利・事務手数料・サービス内容が異なります。

そのため、A銀行のフラット35から、B銀行のフラット35への借り換えという形で乗り換えることができます。

 

ただ、借り換えには次のような一般的なルールがあります。

  • 借り換えには数十万円の手数料がかかる
  • 同一の金融機関での借り換えは出来ない
  • 変動金利から固定金利といった別のタイプの金利に変えることも可能
  • 固定金利から固定金利といった同タイプの金利に変えることも可能
  • 借り換え時の金利は、借り換え実行時点の金利が適用される

 

フラット35への借り換えの特徴

フラット35への借り換えには、民間ローンにはない以下の特徴があります。

  • 団体信用生命保険(団信)は任意加入(通常は金利に含まれる新機構団信を選択)
  • 保証料が不要(ただし事務手数料はかかる)
  • 連帯保証人が原則不要
  • 借り換え後も全期間固定金利のため、返済計画が立てやすい

 

 

借り換えが効果的な3つの目安

借り換えには諸費用がかかるため、諸費用を支払ってもメリットが上回るかどうかが判断のポイントになります。

一般的に、借り換え効果が期待できるとされる3つの条件をまとめました。

 

目安1:従前の金利と新規の金利に「1%以上」の差がある

借り換えによる利息軽減効果は、金利差に比例します。

金利差が小さい場合(0.3〜0.5%程度)では、借り換え諸費用を考慮すると、メリットが小さくなる、または逆効果になる可能性があります。

一方、金利差が大きい場合(1%以上)は、長期で見れば、諸費用を差し引いても利息軽減効果が上回りやすいです。

 

目安2:ローンの残り返済期間が「10年以上」ある

返済期間が短いほど、借り換えによる利息軽減効果は小さくなります。

残り数年であれば、諸費用を払って借り換えるより、繰上げ返済や現状維持の方が合理的な場合もあります。

 

目安3:ローン残高が「1,000万円以上」ある

残債が大きいほど、金利差による利息軽減効果の絶対額が大きくなります。

残債が少額だと、諸費用の方が上回る可能性があります。

 

これらの目安は、「1%以上・10年以上・1,000万円以上」という形で知っている人も多いかもしれません。

ただし、あくまで一つの目安であり、諸費用の内訳・返済スタイル・将来のライフプランによって最適解は変わります。

 

シミュレーション例

  • 4,000万円を35年ローンで借り、金利3.0%。5年経過時点で残債を1.5%で借り換えた場合
  従前のローン 新規のローン
借入時の残債(5年経過時点) 約3,650万円 約3,650万円
金利 3.0% 1.5%
月々の返済額 約153,900円 約120,400円
月々の差額 約33,500円
残り30年の総返済額 約5,540万円 約4,335万円
総額の差 約1,205万円

※各金融機関のシミュレーターで試算した概算。借り換え諸費用は別途必要。

 

この例のように、金利差が大きく、残期間が長く、残債が多い場合、借り換え諸費用(数十万円)を差し引いても十分なメリットがあります。

一方で、金利差が0.3%程度、残期間5年、残債500万円といった条件では、諸費用が利息軽減効果を上回る可能性が高くなると思います。

 

借り換えにかかる諸費用の内訳

借り換えには、新規借入と同様の諸費用がかかります。

どのような費用があるかについて以下のとおりまとめました。

 

新規ローンにかかる費用

  • 融資事務手数料 → 定率型(借入額の2.2%程度)または定額型(数万円)
  • 保証料 → フラット35の場合は不要(民間ローンの場合は別途)
  • 印紙税 → 金銭消費貸借契約書に貼付(数千円〜数万円)
  • 団体信用生命保険料 → 金利に含まれる(特約を付ける場合は金利上乗せ)
  • 適合証明書発行費用 → フラット35の場合に必要(数万円)

 

既存ローンの抹消にかかる費用

  • 既存ローンの抵当権抹消登記費用:登録免許税+司法書士報酬(数万円)
  • 一括繰上げ返済手数料:金融機関により数千円〜数万円

 

新規ローンの抵当権設定費用

  • 抵当権設定登記費用:登録免許税(借入額の0.4%)+司法書士報酬

 

諸費用の総額の目安

借り換え諸費用の総額は、借入額3,000万円程度で50〜80万円が一般的な目安です。

融資事務手数料のタイプ(定率型か定額型か)、司法書士報酬の差でも大きく変動します。

 

注意点としては、たとえば事務手数料が定率型(2.2%)の場合、3,000万円の借入額で手数料だけで約66万円になります。

一方、定額型(5万円程度)であれば手数料は抑えられるものの、金利がやや高めに設定されていることが多いため、表面的な手数料額だけでなく、総支払額で比較することが重要です。

 

借り換えと繰上げ返済、どちらが合うのか

住宅ローンの見直しには、借り換えのほかに繰上げ返済という選択肢もあります。

それぞれに向き・不向きがあります。

 

借り換えが向いているケース

  • 金利差が1%以上あり、残期間10年以上・残債1,000万円以上
  • まとまった自己資金は少ないが、月々の返済額を抑えたい
  • 金利タイプの変更(変動→固定など)をしたい
  • 団信の保障内容を見直したい

 

繰上げ返済が向いているケース

  • 金利差が小さく、借り換え諸費用のメリットが出にくい
  • ある程度の自己資金があり、借入残高そのものを減らしたい
  • 同じ金融機関でそのまま続けたい
  • 手続きが簡便なほうが良い

 

借り換えと同時に一部繰上げ返済をすることで、借り換え後の借入額を減らし、利息軽減効果をさらに高めるという方法もあります。

借り換えと繰り上げ返済のどちらが合うかは、金利差・諸費用・自己資金の有無・ライフプランなど複数の要素で決まります。ご自身の状況に照らしてご検討ください。

 

 

金利上昇局面(2026年4月時点)での考え方(追記)

2024年3月の日銀によるマイナス金利解除以降、国内金利は緩やかな上昇局面にあります。

2024年7月・2025年1月・2025年12月と段階的な利上げが行われ、住宅ローン金利にも影響が出ています。

 

現在の借り換えを検討する際の論点

論点1:変動金利で借りている場合

金利上昇局面では、変動金利の返済額が将来的に増える可能性があります。

返済額を一定にしたい場合は、変動金利からフラット35(全期間固定)への借り換えが選択肢になります。

ただし、現時点のフラット35の金利は変動金利より高いため、当初の返済額は増えます。

 

論点2:固定期間選択型で借りている場合

固定期間が終了すると、変動金利に移行するか、新たな固定期間を選択することになります。

金利上昇局面では、固定期間終了前にフラット35への借り換えを検討する人もいます。

 

論点3:フラット35で借りている方の場合

既にフラット35で借りている場合、借入時より現在の金利が低いかどうかが判断の出発点です。

2020〜2022年頃の超低金利で借りた場合は、現在の金利水準では借り換えメリットが小さい場合が多いでしょう。

一方、2015年以前の比較的金利が高い時期に借りた方は、借り換え効果がある可能性があります。

 

「固定金利で借りているから借り換えは関係ない」という誤解

フラット35は全期間固定金利ですが、借入時の金利と、借り換え実行時の金利は別物です。

借入時の金利が3%でも、借り換え時の金利が1.5%であれば、借り換え効果は十分に見込めます。

「固定金利で借りているから借り換える必要はない」という判断は、借入時の金利が今より高かった人にとっては機会損失になっている可能性があります。

 

借り換えについてのまとめ

フラット35からフラット35への借り換えは可能で、金利差・残期間・残債の条件が揃えば、利息の総額を大きく軽減できる選択肢です。

 

借り換え効果が期待できる3つの目安

目安 内容
金利差 従前と新規の金利差が1%以上
残期間 ローンの残り返済期間が10年以上
残債 ローン残高が1,000万円以上

一方で、借り換えには数十万円規模の諸費用がかかるため、諸費用を差し引いた上でのメリットを見極めることが重要です。

金利差が小さい場合は、借り換えよりも繰上げ返済の方が合理的な場合もあります。

 

また、2026年4月時点では金利が緩やかな上昇局面にあり、「固定金利で借りているから関係ない」という判断が機会損失になる可能性もあります。

特に、比較的金利が高い時期(2015年以前など)にフラット35で借りた方は、一度シミュレーションをしてみる価値はあると思います。

 

住宅ローンは、借入時点で決めたら終わりではなく、ライフステージや金利環境の変化に応じて見直す対象でもあります。

ご自身の借入条件を改めて確認し、今の金利水準と比較してみることをおすすめします。

 

ご相談のご案内

株式会社ライフプランでは、横浜を拠点に、FP・宅地建物取引士・マンション管理士の複合的な視点から、ご相談を承っています。

  • 借り換えシミュレーション(諸費用を含めた総支払額の比較)
  • 繰上げ返済との比較検討
  • 団信の見直しのご相談
  • ライフプランを踏まえた判断

 

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品・ローン商品の利用を推奨・勧誘するものではありません。金利・制度は本記事執筆時点(2026年4月)のものです。

最新情報は各金融機関・住宅金融支援機構・国税庁の公式サイトをご確認ください。住宅ローンおよびその借り換えには、審査・金利上昇・収入減少などのリスクがあります。

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