住宅ローンの金利は変動金利と固定金利を選ぶ?金利タイプの選び方のポイント

自宅 ファイナンシャルプランナー

 住宅ローンを選択する際に悩むものの一つに、「変動金利」にするか「固定金利」にするかの選択があります。

総返済額で損をしたくない、返済額が多少多くても無理がない返済をしたい、といった返済額を重視する人がいれば、ローンの審査が通ればいいという人まで様々です。

そこで今回は、住宅ローンの変動金利と固定金利とを選択するうえでのポイントをまとめます。

 

この記事から分かること

  • 変動金利・全期間固定・固定期間選択の3タイプの特徴
  • 変動金利の「5年ルール」「1.25倍ルール」と未払い利息
  • 金利上昇局面での考え方(2024年以降の金利環境)
  • 借りた後の「見直し」で差がつく理由

 

住宅ローンの変動金利と固定金利のそれぞれの特徴

住宅ローンの金利のタイプには、「変動金利」「全期間固定金利」「固定期間選択」の3タイプがあります。

変動金利は、その名の通り金利が変動する金利です。

全期間固定金利は、借入期間の最後まで金利は同じです。

一方で固定期間選択型は、一定期間だけ金利が固定されます。

全期間固定金利と固定期間選択型の対象期間については、金利が固定されるので毎月のローン返済額も変わりません。

ここからは、それぞれのタイプの特徴を見ていきます。

 

変動金利は金利が低いがリスクがある

変動金利は、4月と10月に金利水準が見直されるため、今後の経済状況によっては急激な金利上昇もあり得ます。

変動金利には金利の変動するリスクがありますが、同じ時点なら3つの金利の中で一番低い金利になります。

 

また、金利が上昇した場合も、返済額の見直しについては5年間変わらないのが一般的で、5年毎の変更の際も1.25倍までといった上限もあります。

 

未払い利息に注意

といっても金利上昇が起きる場合には注意が必要です。

金利が上昇した場合でもローン返済額は5年の間変わりませんが、その間も上昇した金利が適用されます。これは利息ばかり支払って借金があまり減らないことも意味します。

急激な金利上昇が起きた場合に、利息の支払い額が毎月の返済額を上回ってしまうと、お金を支払ってるはずなのに借金がどんどん増えるといった現象が起こります。これが未払い利息の問題です。

 

全期間固定金利は最後まで返済額が変わらない

全期間固定金利は、主に住宅金融支援機構で扱っています。

全期間固定金利といった場合に、多くの人が想像するのがフラット35だと思いますが、金融機関独自の全期間固定金利の商品もあります。

全期間固定金利は、同じ時点なら3つの中で一番金利が高くなります。

しかし、全期間固定金利なのでローンの返済額が変動するリスクがなくなり、毎月のローン返済額が一定になるのでライフプランを立てやすくなります。

金利が上昇する前に全期間固定金利で借りれば、変動金利を下回る金利が適用される可能性もあります。

 

中間タイプが固定期間選択

固定期間選択を選んだ場合は、金利が一定期間だけ固定されます。

固定される期間については、2年、3年、5年、10年、20年と様々です。

固定期間3年であれば、3年間の金利が固定されます。

 

固定期間経過後は、再び固定期間選択にするか変動金利にするかを選択します。

そのときの適用金利は、選択したときの金利水準によります。

このように固定期間選択は、変動金利と全期間固定金利の中間タイプです。言い換えるなら金利の見直しが長めの変動金利といったところです。

 

金利環境は変わった(2024年以降)

かつては「変動金利が0.5%前後、フラット35が1%台」という超低金利が続き、変動金利を選ぶ人が多数派でした。しかし、状況は変わっています。

2024年3月に日銀がマイナス金利政策を解除して以降、金利は上昇傾向に転じました。

その後も追加の利上げが行われ、2026年時点では、変動金利が主要銀行の最優遇で概ね1%前後、全期間固定のフラット35は3%を超える水準まで上昇しています。

数年前と比べ、固定金利は大きく上がりました。

 

金利水準の変化(イメージ・時点の目安)

  変動(最優遇) フラット35
数年前 約0.5% 約1%台
2026年 約1%前後 約3%超

あくまで大まかな目安です。実際の適用金利は金融機関・条件・時期で異なります。

 

どのタイプが有利かは、その時々の市場を反映します。

今後の動き次第で関係が変わる可能性もあります。

金利が上昇局面にある今は、変動金利を選ぶ場合も「将来上がったらどうなるか」を試算しておくことが、これまで以上に大切です。

 

どちらがいいかは支払いが終わらないと分からない

では、変動金利と全期間固定と固定期間選択のどの金利タイプがいいのでしょうか。

結論を言ってしまうと、これは支払いが終わってみないと分かりません。

事前にどのタイプの金利が有利か分かれば、他の金利タイプが存在する意味がありません。

将来の金利が誰にも分からないので複数の金利タイプがあるということです。

 

ちなみに、それぞれの金利タイプについて、誰がリスクを負っているのかですが、変動金利については借りた人がリスクを負っています。

そして、全期間固定の場合は、金利が上昇してもローンの返済額が固定されるわけですから、金融機関がリスクを負っていることになります。

 

本当に重要なのは「無理のない返済」と「見直し」

住宅ローンの利用では、毎月の返済額や繰り上げ返済に目がいきがちです。

しかし、重要なのは「無理なく返していけること」と「ローンの定期的な見直し」です。

たとえ気に入った物件を購入出来たとしても、住宅ローンの返済が生活を圧迫していては元も子もありません。

住宅ローンは35年の長期にわたるため、この無理なく返済していけるという考えは重要です。

無理なく返済していける金額を知るためにも、将来のリスクに向き合うことです。

 

住宅ローンを借りた後の見直しも重要

住宅ローンの金利は、融資実行時の金利が適用されるので、適用金利されている金利と現在の金利水準に差が出ることがあります。

 

例えば、住宅ローンでよく利用される大手金融機関の現在の店頭金利は、2.475%となっています。

実際に適用される金利は、この店頭金利から借入する人に応じた優遇幅を引いた金利が適用されています。

仮に優遇幅が1.5%の人だとすると、その人に適用される金利は、2.475%(店頭金利)-1.5%(優遇)=0.975%(実質金利)となります。

店頭金利については、15年間ほとんど変わってませんが、優遇幅については増加傾向です。

 

15年前であれば、優遇幅が1%あれば大きい方でしたが、現在は2%を超える金融機関もあります。

つまり、優遇幅が時代で異なるので、同じ変動金利でも住宅ローンの見直しを行うか行わないかが大きな差につながるということです。

もし仮に4,000万円を10年前に実質金利1.475%(2.475-1)で借りた人が、現在の実質金利0.575%(2.475-1.9)に借り換えれば、総額385万円の節約になります(実際は諸費用がかかります)。

このように住宅ローンは借りた後も見直しをすることが大切です。

 

中には固定金利なのでという理由で見直しをしない人がいますが、金利のタイプと見直しは別問題です。

固定金利から固定金利への借り換えでも、借入時の金利と現在の金利に差があれば、大きな節約効果が期待できます。

 

住宅ローンは金額が大きいので、たいした金利差でないと思っていても、実際は何百万円もの差を生じることがあります。

思い当たる人は、一度専門家に相談してみてはいかがでしょう。

 

まとめ

  • 金利タイプは変動・全期間固定・固定期間選択の3つ
  • 変動は低金利だが上昇リスクを借りた人が負う(未払い利息に注意)
  • 2024年以降、金利は上昇傾向。固定金利は特に上がった
  • どのタイプが得かは完済まで分からない。専門家の意見も予想にすぎない
  • 重要なのは無理のない借入と、借りた後の見直し

 

住宅ローンは長い付き合いになります。

金利タイプ選びで悩んだら、目先の損得だけでなく、将来のリスクに無理なく向き合える計画かどうかを軸に考えると、判断しやすくなります。

 

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