不動産

不動産を取得するとかかる不動産取得税とは?

投稿日:2019年6月21日 更新日:

売買、贈与、交換、新築、増築、改築等によって土地や家屋を新しく取得すると、「不動産取得税」という税金が不動産取得者に課せられます。

不動産取得税は、不動産の価格に税率を乗じて求めるだけですが、軽減措置や減免措置があるうえ、税制自体が特例措置が多いので複雑です。

軽減措置によって実際は支払わない人もいますし、取得した時の1度だけかかることから、なじみの薄い税金なのかもしれません。

不動産取得税を納める人

不動産取得税は、その名の通り土地や家屋といった不動産を取得した人が納税義務者になります。

 

取得とは、不動産の所有権を取得することをいい、売買だけでなく、贈与、交換、新築、増築、改築など取得の原因は問いません。

ただで不動産を取得した場合も、所有権を登記していない場合も不動産取得税の対象となります。

 

不動産の取得時期

契約を締結した場合に、不動産の取得時期が、契約の日なのか、引き渡しの日なのかどちらになるか迷われる人もいると思います。

 

売買などの契約によって不動産を取得した場合は、特約がなければ代金支払いや引き渡し日にかかわらず、原則として契約を締結した日が取得日になります。

しかし、契約書に所有権移転の時期に関する特約があれば、その特約に定められた日が取得の日になります。

 

建物を新築した場合は、最初にその建物を使用、または譲渡が行われた日にその建物を取得したとみなし、建物の所有者または譲受人が納税義務者となります。

ただし、新築の日から6か月を経過しても、最初の使用または譲渡がない場合は、6カ月を経過した日にその建物の取得があったとみなされ、その取得があったとみなされた所有者が納税義務者となります。

 

不動産取得税の計算方法

不動産取得税の計算方法は、不動産の価格に税率を乗じて計算します。

不動産価格(固定資産課税台帳) × 税率(4%) = 税額

 

不動産の価格は、所有者が購入した価格ではなく、市町村の固定資産税課税台帳に登録されている価格をいいます。

税率は原則として4%ですが、令和3年3月31日までに土地、または住宅を取得した場合は3%となっています。

令和9年3月31日までに、土地または住宅を取得した場合は3%に延長されてます。

 

また、宅地評価土地を取得した場合の不動産の価格について、その土地の価格の1/2とする特例措置があります。

宅地評価土地とは、宅地や宅地比準土地(宅地以外の土地で、価格の決定が当該土地とその状況が類似する宅地の価格に比準して行われている土地)をいいます。この場合の「宅地」は、住宅用という意味ではないので、店舗用の土地にもこの特例が適用されます。

 

新築の住宅の場合、固定資産税は新築の翌年、1月1日が基準日となりますが、不動産取得税の場合は新築された時点での価格を基礎とします。

 

非課税の不動産取得

次の場合の不動産取得については、不動産取得税が課税されません。

・相続によって不動産を取得した場合

・法人の合併または一定の分割により不動産を取得した場合

・学校法人が保育、教育の用に供する不動産を取得した場合

・宗教法人が境内建物および境内地を取得した場合

・社会福祉法人などが一定の社会福祉の事業の用に供する不動を取得した場合

・公共の用に供する道路または保安林・墓地・運河用地・水道用地・用悪水路・ため池・堤とうなどの用に供するために土地を取得した場合

・土地区画整理法による土地区画整理事業の施行に伴う換地を取得した場合

 

不動産取得税の軽減措置

住宅及び住宅用の敷地を取得した場合は、一定の要件に該当すれば、軽減措置の対象になります。

新築住宅、新築住宅の敷地、中古住宅、中古住宅の敷地に分けて見ていきます。

 

新築住宅の場合

新築住宅の要件

住宅の床面積が50㎡(戸建て以外の貸家住宅は1戸につき40㎡)以上240㎡以下のもの

 

軽減される額

住宅の価格から1戸につき、1,200万円が控除されます。

また、認定長期優良住宅を令和8年3月31日までに取得した場合は、1,300万円が控除されます。

 

新築住宅の敷地

住宅を新築した場合は、以下のいずれかの時に敷地に対して軽減があります。

・敷地を取得した日から2年(令和8年3月31日までに取得した場合は3年)以内にその敷地の上に住宅が新築されたとき

・敷地を取得した日前1年以内にその敷地の上に住宅を新築していたとき

 

未使用の新築住宅とその敷地を取得した場合は、以下のいずれかの該当する場合に軽減されます。

・敷地と新築後1年以内の未使用住宅を同時に取得したとき

・敷地と未使用の新築住宅を同時に取得したとき

・敷地を取得してから1年以内に未使用の新築住宅を取得したとき

・敷地を取得した日前1年以内に未使用の新築住宅を取得していたとき

 

軽減される額

軽減される額は、次のうちのいずれか多い額が税額から減額されます。

①45,000円

②土地1㎡あたりの価格(1) × 住宅の床面積(2)の2倍 × 3%

(1)令和9年3月31日までに取得した宅地評価土地については、「土地1㎡あたりの価格」をその1/2に相当する額として計算します。

(2)1戸につき200㎡が限度

 

中古住宅の場合

軽減の要件は、住宅の床面積が50㎡以上240㎡以下で、取得した人が居住し、以下のいずれかに該当した場合

①昭和57年1月1日以降に新築された住宅

②新耐震基準に適合していることが証明されたもの

③上記①②以外の住宅で、取得後に耐震改修を行い、新耐震基準に適合していることが証明されたもの(取得の日から6か月以内に、証明書を提出し、居住の用に供したものに限る)

 

軽減される額は、新築時期に応じて異なります。

新築時期 控除額
昭和51年1月1日~昭和56年6月30日 350万円
昭和56年7月1日~昭和60年6月30日 420万円
昭和60年7月1日~平成元年3月31日 450万円
平成元年4月1日~平成9年3月31日 1,000万円
平成9年4月1日~ 1,200万円

 

中古住宅の敷地

中古住宅の敷地について軽減される要件は以下のいずれかです。

①敷地と中古住宅を同時に取得したとき

②敷地を取得してから1年以内に中古住宅を取得したとき

③敷地を取得した日前1年以内に中古住宅を取得していたとき

 

軽減される額

次のうちのいずれか多い額が税額から減額されます。

・45,000円

・土地1㎡あたりの価格 × 住宅の床面積の2倍(200㎡限度) × 3%

 

免税点

また、不動産の価格が以下の免税点の金額に満たないときは、課税されません。

区分 免税点
土地 10万円
新築、増築、改築の家屋 23万円
その他の家屋 12万円

軽減措置の適用により、不動産の価格から一定の額が控除される場合は、控除の後に免税点を適用します。

 

不動産取得税が減免される場合

以下の場合の不動産取得では、不動産取得税が減免されます。

・不動産の取得直後にその不動産を災害により滅失・損壊したとき、または災害により滅失・損壊した自己の不動産に代わるべき不動産を被災後3年以内に取得したとき

・親族(3親等内の血族、配偶者及び1親等の血族の配偶者に限る)間において行われた不動産の贈与を当該贈与が行われた日から1年以内に取り消し、かつ、当該贈与及びその取り消しに際し経済的利益を伴わないとき

・土地区画整理事業に伴い、家屋について移転補償金を受け、移転補償金を受けた家屋に代わるべき家屋を移転補償金に係る契約の日、または仮換地について使用もしくは収益を開始することができる日から2年以内に土地区画整理事業の施行区域内に取得したとき

 

なお、減免を受ける場合は、納期限までに「減免申請書」の提出が必要です。

 

申告と納期

不動産を取得した日から10日以内に申告することになっています。

不動産取得税は、都道府県税事務所から送付される納税通知書に記載された納期までに納付することになっています。

 

まとめ

・土地や家屋を売買、贈与、交換、新築、増築、改築等によって取得した場合に、不動産取得税が課される。

・不動産取得税の額は、固定資産課税台帳の価格に原則4%(今は3%)の税率を乗じて求める。

・期限付きで現在は軽減措置がとられている。

・相続では不動産取得税は非課税。

・不動産取得税の減免措置もある(申請が必要)。

 

 

参考

神奈川県税 不動産取得税

 

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ライフプラン

横浜市にある不動産会社ライフプランです。

ファイナンシャルプランナーが常駐してるため、住宅ローンの相談からライフプラン相談まで対応してます。

 

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