賃貸生活では、近隣・同棲・同居人といったトラブルがよく起こります。
賃貸でよくあるトラブルをもとに、騒音トラブルの原因や建物構造との関係、ルームシェア・同棲のケンカ別れ、無断転貸による契約解除のリスクまで、宅建士がまとめます。
この記事から分かること
- 賃貸トラブルで最も多いのは騒音トラブルであること(国土交通省調査に基づく)
- ピアノ・楽器可の物件が少ない理由と、建物構造による遮音性の違い
- ルームシェア・同棲でのケンカ別れが起こりやすい原因
- 無断転貸が契約解除の原因になること
騒音トラブルが賃貸で一番多い
賃貸トラブルの中で一番多いのは、実は騒音トラブルです。
国土交通省の調査でも、マンションの居住者間トラブルのうち「生活音」が原因のものが最も多いという結果が出ています。感覚としても納得する人は多いのではないでしょうか。
足音、話し声、テレビや音楽の音量、洗濯機や掃除機の稼働音、ドアの開け閉め、夜中の物音……、一つひとつは大したことがなくても、毎日のこととなると積み重なってストレスになります。
厄介なのは、騒音を出している本人に悪意がないケースがほとんどだということです。
「普通に生活しているだけ」のつもりでも、隣や上下階の住人にとっては十分うるさいということはよくあります。
音の感じ方には個人差が大きいので、「これくらい平気だろう」という感覚のズレがトラブルの火種になります。
音の伝わり方には、話し声のように空気を伝って響く「空気伝播音」と、足音のように床や壁を伝って響く「固体伝播音」の2種類があります。
この違いも、後述する建物の構造と関係してきます。
ピアノ可の賃貸物件は少ない

騒音トラブルの中でも、楽器の音は特にトラブルになりやすい音の一つです。
そのため、ピアノ可・楽器可としている賃貸物件は、全体からするとかなり少数派です。
楽器可の物件を貸し出す場合、防音室になっていたり、そもそも建物自体の遮音性能が高くないと、近隣からの苦情が絶えなくなってしまいます。
貸主側からすると、楽器可にすることでトラブルのリスクを抱えることになるので、あえて楽器不可にしている物件も多いのが実情です。
ピアノや管楽器などを演奏したい人は、物件探しの段階で楽器相談可や防音室ありといった条件で絞り込む必要があります。
ただし、楽器相談可となっていても、電子ピアノやヘッドホン使用が前提の場合もあるので、生ピアノや管楽器がOKかどうかは契約前に必ず確認したほうがいいでしょう。
建物の構造も音の響き・大きさに影響する
同じ賃貸物件でも、建物の構造によって音の響きやすさはかなり変わってきます。
木造は建築コストが安い分、遮音性は一番低いといわれています。
柱や梁が細く、壁も薄いことが多いので、隣の部屋の物音や上下階の足音が響きやすい傾向にあります。
鉄骨造(S造)は木造よりは遮音性が高いですが、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)と比べるとまだ劣ります。
鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造は、壁や床に厚みのあるコンクリートを使っているため、遮音性が高く、音のトラブルが比較的起こりにくい構造です。
ただし、コンクリート造だからといって全く音が響かないわけではなく、特に上下階を伝わる足音などの固体伝播音は、コンクリート造でも完全には防ぎきれません。
物件を探すときに「木造」「S造(鉄骨造)」「RC造」「SRC造」といった構造の表記を見かけたら、音の面でも参考にしてみるといいと思います。
同棲やルームシェアはトラブルの元!

同棲やルームシェアができるのも賃貸のいいところです。
同棲は、若い男女のカップル同士で一緒に住むことをいいますが、最近は同性も多い(LGBT)そうです。
ルームシェアは、家賃を抑えるために他人同士で部屋を借りることをいいます。
ルームシェアを利用する人の中には、一人だと寂しいといった理由で、ルームシェアを選択する人もいるようです。
田舎の一戸建てなんかだと複数人が一緒に同居するといったケースもあるようで、都会とはルームシェアの形も違うようです。
ルームシェアに向いている部屋は、2部屋以上は当然として、他には玄関から他人の部屋を通らずに部屋に入れる間取りです。
友達同士や姉妹同士でも、プライバシーを重視する人が増えています。ましてや喧嘩したときに他人の部屋を通るのは気が引けます。
ケンカ別れの原因はささいなこと
兄弟姉妹の場合はケンカしても同居を続けるケースが多いのですが、他人同士や同棲だとケンカ別れも多いです。
ケンカ別れで一方が部屋を退去すれば、その後をどうするかでもまた揉めます。
くだらないことがきっかけでケンカが起こることはよくありますが、ルームシェアでもくだらないことがケンカの原因になったりします。
例えば、キッチンの使い方が汚いとか、エアコン使い過ぎとか、風呂の順番が気に入らないとか、勝手に物を使うといった、たいしたことのないことでケンカが始まります。
同棲の場合も、お金に細かいとか、掃除しないとか、無駄遣いをするとか、些細なことが原因で別れたりします。
同居人が出ていった場合は、家賃をどうするかが問題になります。
部屋が変わらない以上、一人になっても家賃は変わらないので、残った人が支払うのか、退去の意思を伝えて退去日まで我慢して住むのか……、いずれにせよ思ってる以上にトラブルが多いのがルームシェアです。
転貸で契約解除⁉

転貸というのは専門用語です。
自分が借りたものを、さらに他の関係ない人に貸すことをいいます。また貸しともいいます。
普通の賃貸借契約だと、勝手に無関係の人に貸すのは契約違反になるので、バレたら契約解除の原因になります(民法612条)。
先日ニュースになった振込詐欺事件のアジトは、転貸されたマンションでした。
賃貸は、審査があるので怪しい人だと部屋が借りられないなんてことがあります。
中には相場の家賃以上の金額で怪しい人から転貸を誘われたりするそうですが、バレたら損害賠償を請求する可能性もあります。
闇金融や暴力団、振込詐欺集団、違法な商品の販売拠点といったものは普通に部屋を借りられないので、付き合っている女性やナンパした女性に部屋を借りさせて転貸させるといったケースもあります。
おいしい話だからと飛びついて転貸したら、あとで痛い目にあるかもしれません。
まとめ
- 賃貸のトラブルで一番多いのは騒音トラブル
- ピアノ可の賃貸物件は少ない
- 建物の構造も音の響き・大きさに影響する
- 最近は、ルームシェアが増えている。
- ルームシェアはトラブルになりやすい
- 転貸は契約解除の原因

