日本ペットフード協会の2024年調査によると、国内の犬と猫の飼育数は合計1,595万頭で、15歳未満の子どもの数(1,401万人)を上回っています。
ペットと暮らす人が増える一方、住まいに関するペットトラブルも年々増加しています。
多くの賃貸物件ではペットの飼育が禁止されていますが、近年は需要の高まりを受けてペット可物件が増えています。
分譲マンションでもペット可物件が増えていますが、「ペット可」といっても飼える動物の種類・頭数・条件は物件によって大きく異なります。
ペットアレルギーの人がペット不可だと思ったら、実はペット可物件で裁判にまで発展した例もあります。
不動産に関するトラブルで多い一つが、ペットに関するものです。
この記事では、ペット可物件を探す前に知っておくべき注意点を解説します。
この記事で分かること
- ペット可物件で許可されやすい動物・されにくい動物
- 賃貸と分譲マンションのペット可条件の違い
- 猫より犬の方が許可されやすい理由
- 敷金・賃料への影響
- 無断飼育のリスクと契約解除
- 退去時の原状回復費用の目安
- ペット可物件選びのチェックポイント
ペット可物件で許可される動物の種類
![]()
「ペット可」と表示されていても、すべての動物が飼えるわけではありません。
多くの物件では以下のような制限があります。
許可されやすい動物
- 小型犬(体重・体高の制限あり)
- 猫(物件によっては不可の場合も)
- 小動物(ハムスター・うさぎ・鳥類など)
- 魚類(金魚・熱帯魚など)
許可されにくい動物
- 中型・大型犬(体重制限を超える場合)
- 複数頭の飼育(2頭まで可など頭数制限が多い)
- 爬虫類(管理規約で禁止している物件が多い)
横浜・横須賀エリアでは、賃貸・分譲マンションともに小型ペットに限定している物件がほとんどです。
猫より犬の方が許可されやすい理由

ペット可物件では、猫よりも小型犬をOKにしている物件の方が多い傾向があります。
その主な理由は以下のとおりです。
爪とぎによる室内の損傷
猫は本能的に爪とぎをするため、フローリング・壁・建具に傷がつきやすくなります。
退去時の原状回復費用が高額になりやすいことが、オーナーにとってのリスクとなっています。
犬も猫も飼ったことがありますが、うちの場合は犬(柴犬)よりも猫がつける傷の方が大きかったです。
糞尿のにおい
猫の糞尿は独特の臭気が強く、フローリングや壁に染み込むと原状回復が困難になるケースがあります。
うちの猫は庭でしてましたが、においは犬よりも強烈でした。
脱走リスク
猫は犬に比べて脱走しやすく、共用部分でのトラブルにつながるリスクがあります。
うちの場合も、飼ってた猫はすぐに脱走して見当たりなくなりましたが、犬の方は首輪やリードが外れても逃げることはなかったです。
ただし、犬も鳴き声による騒音トラブルの原因になることがあります。
どちらの動物にもリスクがあることを理解したうえで、物件のルールを守ることが重要です。
賃貸のペット可条件は大家さんによって異なる

賃貸物件でペットを飼えるかどうかは、最終的には大家さん(オーナー)の判断によります。
空室対策でペット可にした物件に注意
もともとペット禁止だった物件が、空室を埋めるために急きょペット可に変更されるケースがあります。
こうした物件では、ペット専用の設備(足洗い場・消臭壁材など)がなく、通常の仕様のままペットを飼うことになります。
- 和室の物件では、畳がペットによって使用不能になりやすい
- 退去時に通常より高額な原状回復費用を請求されるリスクがある
- 設備が整っていないため、においや傷のトラブルになりやすい
「ペット可」の表示があっても、設備や仕様を内見時に確認したほうがいいでしょう。
入居者ごとに条件が異なるケースがある
同じアパートでも、入居者ごとに契約条件が異なる場合があります。
自分が入居した時点ではペット不可だったのに、後からペット可に変更された別の部屋の入居者がペットを飼い始めるというケースもあります。
逆に、自分がペット可で入居したのに、後から入居してきた住民がペットアレルギーで問題になることもあります。
分譲マンションは管理規約・使用細則による

分譲マンション(区分所有マンション)の場合、ペット飼育の可否・条件は管理規約と使用細則によって定められています。
管理規約で定められる主なルール
- 飼育可能な動物の種類と大きさ(例:小型犬のみ、猫は不可など)
- 飼育できる頭数(例:1世帯につき2頭まで)
- 共用部分でのルール(例:エレベーター内はキャリーバッグに入れる)
- 届出義務(管理組合への届出が必要な場合が多い)
2004年からマンション標準管理規約内に「ペット飼育に関する事項」が盛り込まれたことをきっかけに、ペット可になった分譲マンションが増えました。
ただしマンションごとに細則が異なるため、購入・賃借前に必ず管理規約について確認してください。
費用面への影響
ペット可物件では、通常の賃貸と比べて以下の追加費用が発生することが多いです。
| 費用項目 | 内容 |
| 敷金の追加 | 通常より1〜2か月分多く必要なケースが多い |
| 月額賃料の上乗せ | 数千円〜1万円程度上乗せされる物件もある |
| 退去時の原状回復費用 | ペットによる傷・臭気の除去費用が別途かかる |
退去時に備えて預ける敷金の相場が、通常の賃貸より1〜2か月分高く、物件によっては退去時の原状回復費用が通常の賃貸より倍以上かかることもあります。
ペットを飼っていない人には気づきにくくても、動物のにおいは室内に残るため、退去後のクリーニング費用が高額になるケースがあります。
無断飼育は契約解除の原因になる

ペット不可の物件でペットを飼育することは契約違反になります。
また、ペット可の物件であっても、許可されていない種類・頭数のペットを無断で飼育することも契約違反になります。
無断飼育が発覚した場合のリスク
- 契約解除・退去の要求
- 原状回復費用の全額請求
- 違約金の請求
ペット可賃貸物件であっても事前連絡なしに内緒でペットを飼い始めると、退去勧告や追加費用の請求に発展する可能性があります。
ペットを途中から飼い始める場合も、必ず事前に管理会社・大家さんに相談したほうがよいでしょう。
隣人との争いになるケースも
ペット関連のトラブルはかなり多いです。
例えば、ペットは1匹だけといわれたのに勝手に何匹も飼っているとか、そもそもペット禁止なのに勝手に飼っている入居者がいるとか、ペットの鳴き声がうるさくて隣人同士の仲が悪くなるといったものまで様々です。
ペットを飼っていない人からすれば、ペットを隣人が飼ってるかどうかはすぐ分かります。
ペットを飼っている人は気付かなくても、動物はにおいが強いのですぐ分かります。
可愛がるのは飼い主ばかりで、他の人は他人が飼うペットに興味がありません。
そのことを認識していないとペットが原因でトラブルに巻き込まれる可能性があります。
富裕層向けのペット可物件がある

都内の物件を調べていると主に富裕層向けのペット可物件が見つかることがあります。
富裕層向けのペット可物件には、ペット専用のシャワーやペット用の部屋が用意されてる物件もあります。
そういった物件は、医者や会社経営者等の高所得者層に人気で、設備が大型犬にも対応してるものがあります。
また、ペットと一緒に暮らすのであれば、アパートやマンションよりも一戸建ての方がトラブルは少ないです。
アパートやマンションは集合住宅なので、ペット可の物件は少ないですが、一戸建てならアパートやマンションよりは多いです。
特に持ち家の一戸建てに関しては、集合住宅と違ってペットの飼育については自由です。
ペット可物件選びのチェックポイント
ペット可物件を探す際に確認しておきたいポイント
契約・規約の確認
- 飼育できる動物の種類・大きさ・頭数の制限を確認する
- 分譲マンションの場合は管理規約・使用細則を入手して確認する
- 敷金の追加額と退去時の原状回復の取り決めを確認する
- ペット飼育の届出義務の有無を確認する
物件・設備の確認
- ペット専用設備(足洗い場・消臭壁材・傷つきにくいフローリングなど)があるか確認する
- もともとペット可の設計か、途中でペット可に変更した物件かを確認する
- 共用部分のルール(エレベーターの使い方・共用廊下でのリードの有無など)を確認する
周辺・隣人環境の確認
- 近隣にペットアレルギーの方がいる可能性を理解しておく
- 散歩コースや動物病院の距離を確認する
まとめ
ペット可物件を選ぶ際のポイント
- 「ペット可」でも飼える動物の種類・頭数・条件は物件によって大きく異なる
- 猫より小型犬が許可されやすい物件が多い傾向(爪とぎ・糞尿のにおい・脱走リスクが主な理由)
- 空室対策でペット可にした物件は設備が整っていないケースがある
- 分譲マンションは管理規約・使用細則を購入・賃借前に確認する
- 敷金が通常より1〜2か月多く必要になる場合がある
- 無断飼育は契約解除・退去の原因になる
- ペットを途中から飼い始める場合も必ず事前に管理会社・大家さんに相談する
ペット可物件のトラブルは年々増加しています。
契約前に条件を十分に確認し、入居後もルールを守ることがトラブルを防ぐ最善策です。
記事は宅地建物取引士・マンション管理士・1級ファイナンシャル・プランニング技能士が監修しています。 管理規約の内容は物件ごとに異なります。詳細は各管理会社または専門家にご確認ください。

