インターネットや雑誌で定期的に取り上げられる記事に「賃貸VS持家どっちが得か」というものがあります。
賃貸と持家のどちらが得かについては以前まとめましたが、その人によるとしかいえません。
ただ、賃貸と持家のどちらかについて議論するにしても、持家も戸建てとマンションにさらに分けた方がいいのではと思ってます。
まず、住宅に対する価値観が一人一人違うので一概に賃貸と持家では優劣をつけられません。
住環境を重視する人がいる一方、住環境より別の趣味にお金を遣いたい人もいます。
また、現在のように不動産価格が高騰していれば、購入した値段以上に高く売れたり、不動産市場はその時の経済環境に影響を受けます。
購入したら税金で優遇されますし、相続税を低くできるので、様々な制度をうまく使えるのかも関係します。
賃貸と持家でどちらが有利になるかはこれから何年生きるかによっても結果が変わることもありますし、金利によっても影響されます。
こんな感じで賃貸と持家とでは違いがあり、一人一人のライフプランも同じでないので、賃貸と持家のどちらが得かは人によって異なるのです。
一般的にいわれてる賃貸・持家のメリットとデメリット
「賃貸vs持家」はどちらが得かをめぐって一般的に以下のことがいわれています。
賃貸の場合
・賃料と共益費さえ支払うだけなので分かりやすいが、定期的に更新料がかかります。
・引越しがしやすいです。ただし、引越すと礼金や引越し代がかかります。
・購入と違って設備等の修繕費は負担しません。賃貸借は貸主負担、使用貸借は借主負担です。
・高齢者は部屋を借りにくいといわれてます。
・生きている限り家賃を支払い続けることになります。現在の年金額ではかなりの老後資金がないと厳しいので副業が必要です。
持家の場合
・住宅ローンの他に建物の修繕費や固定資産税といった維持費がかかります。
・団体信用生命保険に入ってれば、途中で亡くなったとしても遺族へ負担はありません。
・ローンがあると引越しがしにくいです。家を売るのが先だと引越しが数か月延びることもあります。
・設備が故障したり、建物が損傷した場合の修繕費は自己負担です。
・住宅ローンの完済後は維持費のみで済みます。
・原価法による評価で建物が22年でゼロになっても、メンテナンスしてれば50年以上住めます。
・マイホームが資産になります。
・無理なローンを組むと将来のリスクになります。
住宅ローンで購入するときは、無理なく支払っていける額か検討することです。最近ならiDeCoやNISAのことも考えるのがbestです。
お金の面ではどちらがお得?
以前も書きましたが、同じ場所に住み続けるなら基本的には購入した方が得です。
普通は大家さんは損をしてまで他人に貸さないので、賃料には取得費だけでなく、税金、維持費に利益も上乗せされると思ってよいからです。
住宅ローンの返済中に亡くなれば保険で借金は残りませんし、ローンを返済すれば年金だけでやっていける人もいます。
今はローンの金利が低いので無理して繰り上げ返済しない人が多いですが、状況によって借り換えを選択できるのも購入した場合のメリットです。
一戸建てよりマンションの方が一般的に維持費は高い
ただ、住宅ローンさえ完済してしまえば、あとは楽と思いきや、そうとばかりはいえないのが今回の話です。
最初に持家を一戸建てとマンションとに分けた方がいいといいましたが、住み続ける前提だとマンションと賃貸とではそれほど変わらないという結果もあります。
ここでいうマンションとは区分所有法の分譲マンションのことです。
最近は資材の高騰もあってマンション価格の高騰が止まらず、維持費も上がり続けています。
一戸建ての場合は修繕費だけですが、マンションの場合は管理費と修繕費があります。
管理費は積立しないのでその都度見直しが行われますが、修繕は10年、15年ごとなので見直しも5年毎くらいに定期的に行われます。
この修繕積立金の定期的な見直しで10年後、20年後と段々負担が重くなっていきます。
特に最近はタワーマンションで問題となっていて、修繕積立金の増額について話がまとまらないケースが増えています(タワマンの方が修繕費は高い)。
住宅ローンを支払い終わっても管理費や修繕積立金が高騰すれば、結果として賃貸と大して変わらないことはありえます。
区分所有マンションのメリットとしては、今はマンション価格が高騰してるので、売却の面では戸建てよりも有利かもしれません。
特にタワーマンションでは購入した金額よりも高く売れたなんて話も聞きます。
タワーマンションに限らず、首都圏ではマンション価格が増加傾向です。
以上、お金だけで考えると、一戸建てが一番お得で、マンションと賃貸は同じくらいといったところでしょうか。
お金以外で賃貸と一戸建てとマンションを比較
マンションを購入すると組合員になりますが、そこで初めて区分所有について知るという人は多いです。
マンションに住む前に区分所有について学んでおけばよかったという人は意外と多いです。
マンションは一戸建てよりも長くもちますが、いずれは建物の建替えを考える時期が来ます。
建替えや復旧は総会で決議し、自分の家の修繕は届出が必要なこともありますが、こういったことを知らない人も多いです。
一戸建てだと自分のタイミングで修繕できますが、マンションは総会でみんなで決めます。
こういった運営についてみても戸建てとマンションとでは別物と思った方がいいでしょう。
賃貸やマンション(分譲)は利便性がいい反面、駐車場料金が別途かかります。
また、ペットを飼いたい人は、ペット可の賃貸やマンションを探さなければいけません。
大型犬を飼いたいなら一戸建て以外は難しく、賃貸では猫不可が多く、マンションなら規約で小型犬のみというのが多かったりします。
それと、持家の場合に住宅ローンで購入したら、住宅ローン控除が使えます。
税金関連といえば、今回は住み続ける前提なので触れませんが、持家を売った際に買い替え特例や3000万円特別控除といった制度もあります。
いずれにしても「賃貸と持家はどっちが得か」に答えは簡単には出せないということです。
引越しが多かったり好きな人は賃貸、利便性を重視する人はマンション、大型犬を飼いたい人や総支払額の面では一戸建てがおすすめです。
おわりに
賃貸にするか?戸建てにするか?マンションにするか?戸建てとマンションは別物と考えた方がいいという話でした。
ちなみに私は大型犬が飼いたいので一戸建て派です。
最近、クロムブックを購入したので、Google spreadsheetでライフプランを作ることに挑戦してます。
問題なければライフプラン相談再開します。