各都道府県及び市町村では、その地域に住む患者が医療機関の窓口で支払う一部負担金の全部または一部を、各自治体で独自に助成していることがあります。
この各都道府県及び市町村(以下地方公共団体)で行っている医療費の助成は医療費助成事業と呼ばれ、各自治体ごとに条例等で定めています。
ここでは横浜市で行っている医療費助成事業の主なものを紹介します。
小児医療費助成事業
小児医療費助成事業とは、横浜市に住所がある健康保険加入者の子供が、けがや疾病により医療機関にかかった時に、医療機関に支払った一部負担金を助成する制度です。
ただし、医療機関にかかった場合でも入院中の差額ベッド代などは対象となりません。
また、既にひとり親家庭等医療費助成といった他の医療費助成を受けていたり、生活保護を受けている場合は小児医療費助成の対象になりません。
横浜市では、子供が中学3年生までは医療機関にかかったときに小児医療費が助成され、年齢に応じて助成される内容と範囲が異なります。
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保護者の所得制限
小児医療費助成事業を受けるには、保護者の所得が所得制限限度額未満であることが必要です。
また、所得制限限度額は、保護者が扶養している親族等の人数によっても違います。
小児医療費助成制度の対象年齢と範囲
対象年齢 | 助成範囲 | 所得制限 |
0歳 | 通院・通院の保険診療の一部負担金 | なし |
1歳から小学3年生 | 通院・入院の保険診療の一部負担金 | あり |
小学4年生から中学3年生 |
通院1回につき500円までの負担 |
あり |
所得制限減額
扶養親族等の数 | 保護者の所得制限限度額 |
0人 | 540万円 |
1人 | 578万円 |
2人 | 616万円 |
3人 | 654万円 |
4人以上 | 扶養が1人増すごとに38万円加算 |
この表は、本来の所得制限限度額に、所得計算上考慮される一律の控除額(8万円)をあらかじめ足したものです。
引用 横浜市ホームページより
申請手続き
住んでいる区の区役所に行き、保険年金課の窓口で申請すると医療証が交付されます。
なお、その際には以下のものが必要な書類となっています。
・子供が加入している健康保険証
・印鑑
・課税証明書
ひとり親家庭等医療費助成事業
ひとり親とは、母子家庭や父子家庭等をいいます。
父母以外の人であっても、当該児童を養育する人はこの医療費助成制度の対象になることがあります。
ひとり親家庭等医療費助成事業では、ひとり親家庭等の対象者が、ケガや病気で医療機関にかかり、一部負担金を支払った場合にその費用が助成されます。
この場合も小児医療費助成事業と同様、差額ベッド代など保険診療の対象とならない費用は除かれます。
対象者
・横浜市内に住所があること
・何らかの健康保険に加入していること
・ひとり親家庭等の父母と18歳まで(最初の3月31日まで)の児童
・一定の所得基準を超えていないこと
反対にこの制度の対象外になる人は、
・生活保護受給者
・他の医療制度から医療費助成を受けている人
・児童福祉施設等に入っている人
申請の際に必要な書類
ひとり親家庭等医療費助成を受ける人は、住んでいる区の区役所に行って申請を行います。
その際に必要な書類
・児童扶養手当証書、または戸籍謄本、前々年の課税所得証明書(所得及び所得控除の内訳が記載されているもの)
・健康保険証
・印鑑
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重度障害者医療費助成事業
重度障害者助成事業は、健康保険に加入している重度の障害を持った人が、病気やけがで病院等の医療機関にかかった場合に、一部負担金を助成する制度です。
あくまでも一部負担金についての助成事業なので、この医療費助成制度についても差額ベッド代など保険診療対象外の費用は助成されません。
対象となる人
この制度の対象になる健康保険に加入している重度の障害者とは、具体的には次のとおりです。
・1級または2級の身体障害者手帳を交付されている人
・知能指数が35以下と判定されている人
・知能指数が50以下で、かつ3級の身体障害者手帳を交付されている人
・1級の精神障害者手帳を交付されている人
申請手続き
申請する人は住んでいる区の区役所に行き、保険年金課保険係の窓口で申請します。
申請すると重度障害者医療証を交付してもらえます。
申請の際には、身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者手帳のうちいずれかと、健康保険証と印鑑を持参します。
終わりに
各地方自治体では、様々な助成事業を行っています。
いくら自分が住んでいる自治体が素晴らしい助成事業を行っていても、本人が制度を知らずに申請しなければ受けられません。
当社は不動産会社ですが、お客様からの家探しがきっかけでライフプランの相談を受けるようになって、医療費助成制度を紹介したことがあります。しかし、ほとんどの人はこれらの制度を知らないようです。
お客様のライフプランは、社会の制度を知ってるか知ってないかでも大きく変わります。
特に子供がいる家庭ではこういった制度があると頭の片隅にでも入れておくといいかもしれません。
参考 横浜市ホームページ