日本では欧米と違って新築の許可が得やすいことから、人口減少を無視するかのように新築マンションが建設されています。
ところがマンション資材の高騰や職人不足等の影響から、数年前とは比較にならないほど新築マンションの価格が高騰しています。
現在の日本は人口減少社会なので、今後はマンションに対する需要が減少していくことが予想されます。
これからマンションの購入を検討している人にとって、マンションの価格と維持費は重要な要素です。
今回は、価格や維持費の面から、新築マンションよりも中古マンションが検討に値する理由を解説します。
この記事から分かること
- 新築マンションが登記時点で価値が下がるといわれる理由
- マンション価格の下落パターン(築10〜15年で落ち着く傾向)
- 修繕積立金が将来増額しやすい仕組み(段階増額方式)
- 中古マンションのメリット・デメリット(インスペクションを含む)
新築マンションを登記すると価値が8割になる?

新築マンションと中古マンションを比較した場合に、中古マンションのメリットは価格を抑えることができる点です。
新築マンションは、登記した時点で不動産の価値が8割になるといわれています。
ファイナンシャルプランナーの中には7割になるという人もいます。
このファイナンシャルプランナーは自分がマンション購入で失敗したため新築マンションを目の敵にしているのかもしれません。
「マンションを目の敵にしてる評論家もいます」
新築マンションのメリットに仲介手数料がかからないことが挙げられますが、新築マンションではそれ以上に販売価格に利益を乗せているといわれてます。
新築マンションは中古マンションと違って流通している数が限定されるため、適正な価格の把握がしにくく、一般の人が不動産屋に「そういうものですよ」と言われればそれまでです。
新築で探してる人にとっては供給数が限られてるので、あまり価格を気にしてる余裕はないというのもあるかもしれません。
仮に価値が8割になるというのであれば、フルローンで新築マンションを購入したときは、短期に売却しようと思ってもオーバーローン(不動産の価値より借金の方が多いこと)になることになります。
こういった面でも新築マンションの方がリスクが大きいと言えます。
価格の下落は、はじめが大きく徐々に緩やかになる

マンションの価値は時間の経過とともに下落していきますが、建物については戸建ても同じです。
しかも、均等に下落していくわけではなく、新しいほど下落率が大きくなると一般的に言われてます。
何より最も下落するのは、新築マンションを購入して登記した時点です。
その後、下落率は縮小していき、築後10年~15年程度で落ち着くといった傾向が見られます。
最近は、マンション価格が高騰しているため、むしろ中古市場の価格が上昇するといった現象もみられます。
資材価格の高騰、人手不足による人件費高騰、外国人の買いあさり等により、価格はむしろ上昇してますが、建物は基本的に経年劣化していくものと考えられています。
不動産は個別性が強く同じものがないので、人気のあるエリアでは今後も価格が底堅く推移する一方、需要が減少するエリアでは下落していく可能性があります。
修繕積立金は将来増額していく

マンションの修繕積立金は、将来的に増額していくものと考えておくのが安全です。
修繕積立金は、10〜15年程度のスパンで行う大規模修繕に備えて所有者が積み立てる資金です。
積立方式には次の2種類があり、どちらも法律上認められた方式です。
- 段階増額積立方式|当初は積立額を低く設定し、段階的に増額していく方式
- 均等積立方式|将来の修繕費用をあらかじめ見積もり、その金額を均等に積み立てる方式
実際には、多くのマンションで段階増額積立方式が採用されています。
これは、新築時に積立額を低く抑えることで販売しやすくするためといわれています。
長期修繕計画のガイドラインでは、将来の推定修繕工事費を積立金の累計額が下回らないよう計画することが求められていますが、区分所有者の合意形成が難しいマンションでは、計画通りに増額されないケースもあります。
修繕積立金が増額する主な要因としては、次のようなものが挙げられます。
- インフレによる資材費の上昇
- 段階増額積立方式による計画的な増額
- 人件費の高騰
老後のライフプランを考える際は、マンションの管理費・修繕積立金も長期的な支出として織り込んでおくことをおすすめします。
設備が充実しているマンションほど、管理費も高くなる傾向があります。
中古マンションであれば、購入前に修繕積立金の滞納状況を確認できる点もメリットです。
建物の価値がゼロになっても、住めなくなるわけではない

投資用物件では、税務上の減価償却によって、いずれ建物の帳簿上の価値はゼロになります。
ただし、帳簿上の価値がゼロになっても、実際に住めなくなるわけではありません。
適切にメンテナンスをすれば、法定耐用年数を超えても住み続けることは可能です。
マンションは、築30年程度で市場価値が新築時の3割に満たなくなることもあるといわれています。
一戸建てについては、建物部分の価値がほぼゼロと評価され、土地(または古家付きの土地)として売買されるケースもあります。
あえて更地にしないのは、更地にすると固定資産税の住宅用地特例が外れ、税額が上がってしまうためです。
マイホームとして住み続ける場合は、建物の価値の減少を気にする必要は基本的にありません。
これは投資用不動産と異なり、価値の減少がそのまま「次の一手」を迫られる話にはならないためです。
ただ、もしもの時のために、所有する不動産がどれくらいの価値があるかを知っておくと備えになります。
中古マンションのデメリット

中古マンションのデメリットは、経年による不具合が生じている可能性がある点です。
この不安を軽減する手段として、ホームインスペクション(住宅診断)があります。
インスペクションは目視による検査が中心のため、詳細な内部の状態まで把握できるわけではありませんが、リフォームが必要な箇所をあらかじめ知ることができます。
費用は5万円程度が目安とされています。
中古マンションを選ぶことで浮いた費用をリフォームに充てれば、新築マンションを購入するよりトータルで安く抑えられる場合があります。
また、中古マンションは新築と比べて流通量が多く、選択肢の幅が広いというメリットもあります。
新築マンションよりも中古マンションがおすすめな理由のまとめ
- 新築マンションは、登記した時点で価値が下がるといわれる
- 適切にメンテナンスすれば、建物の価値が下がっても住み続けることはできる
- マンション価格は、築10〜15年までの下落が大きい傾向にある
- 修繕積立金は将来的に増額される
- 中古マンションであれば、修繕積立金の滞納状況を事前に確認できる
- 中古マンションは新築より流通量が多く、選択肢が広い
- インフレ時代は、管理費も修繕積立金も値上がりする可能性がある

