新築マンションを買うと資産価値が下がる理由|新築プレミアムの正体と不動産二極化の現実

資産価値 不動産

FP・不動産業界では「新築マンションは買った瞬間に資産価値が8割、9割になる」といわれることがあります。この言葉を聞いて驚いた方も多いのではないでしょうか。

実際のところ、どの物件でも一律に下がるわけではありませんが、新築マンションには「新築プレミアム」と呼ばれる価格上乗せ分が含まれており、中古市場に出た際に価格が下がりやすい構造があることは事実です。

この記事では、横浜で1級FP・宅建士・マンション管理士の立場から、新築マンションの資産価値が下がりやすい理由・不動産の二極化・資産価値を維持するマンションの条件を、データも交えて解説します。

 

この記事で分かること

  • 新築プレミアムとは何か(広告費・モデルルーム・利益分)
  • 新築マンションの価格が下がりやすい構造的な理由
  • 不動産の二極化(エリアによって明暗が分かれる)
  • 2024年改正後のタワマン節税への影響
  • 資産価値を維持しやすいマンションの条件

 

新築マンションを購入するとなぜ価値が下がるといわれるのか

不動産の評論家やファイナンシャルプランナーの中には、新築マンションを購入した瞬間に資産価値が7割になるという人もいます。

「新築マンションは買った瞬間に資産価値が7割になる」という表現は、業界でよく使われる経験則です。ただし、これは一律の事実ではありません。

 

実際には、立地・マンションの人気度・売却のタイミングによって大きく異なるからです。

  • 人気エリアの物件であれば、中古市場でも1割程度の値下がりで売れるケースがある
  • 郊外や需要の少ないエリアでは、価格を大幅に下げても売れ残るケースもある

 

「7割になる」という表現が一般化しているのは、後述する新築プレミアム分が価格に含まれているからです。

また、新築マンションは周辺の中古物件と比較しにくい性質があります。モデルルームや広告での見せ方が上手く、相場より高くても気づきにくいことも、購入後の損した感覚につながる要因かもしれません。

 

「買った瞬間に7割」はなぜ言われるのか

仮に買った瞬間に7割とすると、3割が新築のプレミアム分ということになります。

郊外で建設された4,000万円のマンションをある個人が直ぐに3500万円で売りに出ましたが、半年経っても売れないという話も見たことがあります。

流石に3割は言い過ぎてる気がしますが、人気のエリアなら1割引くらいで売れてもおかしくありません。不動産は相対取引ですからタイミングということもあります。

 

新築マンションは、他の不動産との比較が難しいため、相場より高くても気づきにくいのですが、周りの中古マンションと比較すると明らかに高いことがあります。新築のプレミアム価格が含まれてるという認識が欠けてると売却の時に損した気分になるかもしれません。

 

新築マンションの価格に含まれているもの

新築マンションの販売価格には、建物・土地の原価に加えて、次のような費用が含まれています。

 

① 販売広告費

新築マンションが販売されると、大々的な広告が展開されます。

テレビCM・チラシ・ウェブ広告・交通広告など、マンション1棟あたりの広告費は数千万〜数億円規模になることもあります。

 

② モデルルームの費用

モデルルームの設営・維持費・スタッフの人件費・光熱費といった費用がかかります。

これらも販売価格に算入されています。

 

③ デベロッパー(開発業者)の利益

土地の仕入れ・建設・販売までの事業リスクに対する利益が含まれています。

 

新築プレミアムとは

これらの費用の合計が「新築プレミアム」として価格に上乗せされています。

中古市場に出た際には、この新築プレミアム分が剥落するため、価格が下がりやすくなります。

 

新築マンションを購入する際は、この新築プレミアムがどの程度含まれているかを意識した上で判断することが重要です。

 

新築マンションの価値が下がりやすい4つの理由

新築マンションの資産価値が下がりやすい主な理由をまとめました。

 

① 供給数の調整

デベロッパーは、市場での価格を維持するために、供給数を絞って希少性を演出することがあります。

需要と乖離した価格設定が行われると、中古市場での価格との差が大きくなります。

 

② 新築10年保証の消滅

新築マンションには、品確法に基づく10年間の瑕疵担保責任があります。

この保証があることも新築価格が高い要因の一つですが、中古になると保証期間が短くなる・または残期間が限られるため、その分の価値が下がります。

 

③ 広告費・経費分の剥落

先述したように、広告費・モデルルーム費用などが販売価格に含まれています。

中古市場ではこれらが含まれないため、価格が下がります。

 

④ 建築費高騰による割高感

現在は建材・人件費の上昇により新築マンションの分譲価格が高騰しています。

一方で購入者の収入の伸びは限定的なため、価格水準が中古市場の実力から乖離するケースが生じています。

 

関連記事

 

不動産価格は二極化する|エリアによって明暗が分かれる

不動産の資産価値は「どこに持つか」によって大きく異なるでしょう。

特に近年、不動産の二極化が明確になっています。

 

人気エリアと郊外の差

  • 都市部・駅近・利便性の高いエリア:需要が高く、価格が維持・上昇しやすい
  • 郊外・不便なエリア:人口減少・需要低下により、価格が横ばいまたは下落傾向

 

神奈川県内でも、横浜市内の主要駅周辺と郊外のエリアでは価格動向が異なっています。

 

立地が最重要

不動産は「一にも二にも立地」といわれるように、住む・貸す・売るいずれの場合にも、立地が資産価値を大きく左右します。

購入の際の将来的な売却・賃貸を含めた「出口」を意識した立地選びが重要性を増しています。

 

中古マンション市場の変化

フラット35利用者調査(2024年度)によれば、中古住宅の利用割合が34.8%と増加しています。

新築の価格高騰を背景に、中古マンションを選ぶ方が増えており、需要の高い中古物件は価格が底上げされています。

 

関連記事

 

相続対策としてのマンション|2024年の制度改正

今までは、時価と評価の乖離が原因で、マンションが相続税対策として活用されてきた側面があります。

ただし、2024年1月以降に制度が大きく変わりました。

 

改正前の状況

マンションの相続税評価額は時価より大幅に低く評価されるケースがあり、特にタワーマンションの高層階では、市場価格の2〜3割程度の相続税評価額になることもありました。

 

2024年1月1日以降の改正内容

国税庁の通達改正により、区分所有マンションの評価方法が見直されました。

  • 評価額が時価の60%未満の場合は60%まで引き上げる新ルールが導入
  • 築年数・総階数・所在階・敷地持分狭小度を加味した「評価乖離率」で計算
  • タワーマンション高層階ほど影響が大きく、従来のような大幅な節税は期待しにくくなった

 

改正後の状況

節税効果がゼロになったわけではありませんが、以前のような「相続税を3分の1に」といった大幅な節税は難しくなったかもしれません。

相続対策としてマンションを検討する場合は、2024年以降の新しい評価方法を前提に税理士等と確認することが重要です。

税務の判断は税理士等の専門家にご相談ください。

 

資産価値を維持しやすいマンションの条件

新築マンションの資産価値が下がりやすい構造を前提に、維持しやすいマンションの条件を整理しました。

 

① 立地がよい:駅近・利便性・将来の需要

最も重要な要素です。

駅から徒歩圏内・生活利便施設が充実・将来的な人口流入が見込めるエリアは、需要が維持されやすい傾向があるといえます。

 

② 管理状態:修繕積立金・管理組合の運営

マンションの資産価値を維持するには、建物の管理状態が重要です。

修繕積立金が適切に積み立てられているか・管理組合が機能しているかは、長期的な価値に大きく影響します。

修繕積立金が不足していると、大規模修繕時に一時金の徴収が必要になったり、修繕が遅れて建物が劣化するリスクがあるからです。

 

③ 築年数と建物の状態

建物は経年劣化しますが、管理が行き届いたマンションであれば、価値の下落を抑えることができます。

購入前に長期修繕計画や修繕積立金の積立状況を確認することが重要です。

 

④ 管理費・修繕積立金のバランス

購入後の維持費として、毎月の管理費・修繕積立金がかかります。

これらが適正水準かどうかを確認することも購入前の重要なチェックポイントです。

 

関連記事

 

さいごに

都内ほどではありませんが、郊外でも街を歩いていると新築マンション工事をしているのを見かけます。

仕事柄、新築マンションはチェックしてますが、以前と比べて販売価格は明らかに高くなってます。

少し前に郊外に遊びに行った際にもマンションを建設してるのを見ましたが、販売予定価格を見たら驚くほど高かったです。

現在の価格高騰は資材価格の高騰と人手不足の影響が大きいです。

 

不動産業、建設業者で働く人は多く、日本経済に与える影響も大きいので、少子高齢社会で住宅過剰な現在でも新築の開発は行われてます。

といっても少子高齢社会では新築マンションは希少ですから、新築というプレミアムがつきます。

資産価値を語るうえで新築マンションにはいろいろと問題もあります。

 

まとめ

新築マンションの価値が下がりやすい理由

  • 広告費・モデルルーム費用・デベロッパーの利益が販売価格に含まれている
  • 中古市場に出ると「新築プレミアム」分が剥落する
  • 供給数の調整・10年保証の消滅・現在の建築費高騰による割高感も要因

 

不動産の二極化

  • 立地・利便性・需要によって資産価値は大きく異なる
  • 人気エリアと郊外では価格動向が逆方向になるケースも

 

2024年のタワマン節税規制強化

  • マンションの相続税評価額が時価の60%以上になるよう改正
  • 従来のような大幅な節税は困難に
  • 相続対策は税理士等への相談が必須

 

資産価値を維持しやすい条件

  • 立地(駅近・利便性・将来の需要)
  • 管理状態(修繕積立金・管理組合の運営)
  • 建物の状態と長期修繕計画

新築マンションを購入する際は、新築プレミアムが含まれていることを理解した上で、将来の売却・賃貸も含めた「出口」を意識した判断が重要です。

 

ご相談のご案内

横浜ライフプラン1級FP技能士事務所では、住まいとライフプランに関するご相談を承っています。

  • 新築・中古マンションの選び方のご相談
  • 住宅ローンとライフプランのシミュレーション
  • マンション購入前の管理状態のチェックポイント
  • 物件探し・紹介

 

 

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の不動産・金融商品の取引を推奨・勧誘するものではありません。相続税評価は本記事執筆時点(2026年4月)の制度に基づきます。

税務の個別判断は税理士等にご確認ください。当事務所は投資助言業・代理業の登録を行っておりません。

 

タイトルとURLをコピーしました