不動産を買おうと思った人は、どのように物件を探すでしょうか。
一昔前は、駅前に住宅関連のフリーペーパーが置かれてましたが、今は本当に少なくなりました。
現在では、ほとんどの人がアットホームやスーモ、ヤフー不動産といったインターネットのポータルサイトで検索しています。
地域や沿線、建物の種類に予算や広さ、といった条件をポータルサイトに入力して、出てきた物件の中から条件に近い物件を選び、物件ごとに不動産会社に問い合わせて資料をもらい、週末になったら現地を見学に行くのが一般的な流れです。
同じ物件を別の不動産会社で紹介されることがある
インターネットのポータルサイトで条件に合う物件を見つけたので、見学するために物件ごとに不動産会社に問い合わせたとします。
実際に不動産会社で物件を見学しましたが、どの物件も気に入らなかったので条件を伝えると、どこの不動産会社でも同じ物件、ポータルサイトに載ってた物件を紹介してきます。
不動産探しでは、賃貸でも売買でもこういったことがよくあります。
不動産会社は、業者のみが閲覧できるレインズ(Real Estate Information System・不動産流通機構)というもので物件を検索するのですが、流通している不動産がこのデータベースで情報を共有しているようなものなので、条件が同じならどこの不動産会社に行ってもほば同じ物件が紹介されます。
試しにポータルサイトに掲載している物件を家の近くの不動産会社に紹介できるか聞いてみたら分かります。
他のお客さんが申し込みをしない限り、下の会社名だけ変更した販売図面をもらえるはずです。
このレインズがあるのでどこの不動産会社でも同じ物件を紹介されるわけですが、残念ながらレインズは一般の人は閲覧できません。
レインズ(不動産流通機構)について
上で不動産会社がレインズを使って物件を検索すると説明しましたが、不動産を売りたいお客さんがいる時もレインズを使います。
不動産の売却をする際、不動産会社に相談すると「媒介契約」を結びます。
媒介契約には、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類がありますが、専属専任と専任の媒介契約では、レインズへの登録が義務付けられています。
レインズへの登録が済むと、他の不動産会社もその物件を閲覧できるようになり、他の不動産会社からも条件に合ったお客さんを紹介してもらえるようになります。
一般媒介だけは必ずしも登録しなければならないわけではありませんが、登録できないわけではないので、いえば登録してくれると思います。
このように中古物件に関しては、ほとんどの物件が共有されてますが、新築物件であってもレインズに登録する業者さんは多いです。
レインズに登録しておけば、他の不動産会社は図面や資料を閲覧できるので、いちいち図面や資料をFAXしなくて済みますし、早期の売却も可能になります。
以上の理由から、ポータルサイトで見た物件のほとんどは、どの不動産会社でも紹介できるというわけです。賃貸の場合もレインズへの登録が義務付けられてませんが、たいていの物件は申し込みが入ってなければ、どこの不動産会社も紹介できます。
例外は新築マンションですが、新築マンションは他に比較できる物件もないので気に入るかどうかの問題です。
ポータルサイトに掲載されている物件は売れ残り?
いつまでもポータルサイトに掲載されていたり、何社も同じ物件を掲載している場合は、売れ残りかもしれません。
売れ残りが必ずしも悪いとは限りませんし、売れ残っていてもまともな物件はありますが、売れ残りといわれると何となく嫌ですね。
物件を自社のみで販売(手数料がかからない)しようと思ってもなかなか売れず、仕方なくレインズに掲載し、それでも売れなければ他の不動産会社が広告を出すことにOKを出します。その結果、ポータルサイトに同じ物件が何社からも掲載されてるといったことが起こります。
販売業者の中には、最初から自分たちではお客さんを探さず、仲介業者に任せるという会社もあります。そういった会社の物件は必ずしも売れ残りではありませんが、売れるのも早いです。
不動産探しは、ポータルサイトだけで探すより、信頼できる不動産会社(営業)を見つけて、条件に合う物件が出たら紹介してもらう方法をとった方がいい物件に巡り合う可能性が高くなります。
おわりに
不動産会社は、レインズがあるから物件を持たなくても仲介ができるということです。
不動産を売りたい人にとっても、レインズがあるから日本中の不動産会社が買りたい人を見つけられるわけです。
ちなみにレインズには、過去の成約事例も登録されてるので、不動産会社は市場の流通状況が分かります。