鎌倉市十二所にある「十二所果樹園」は、隠れた梅の名所である。
十二所は鎌倉の外れにあるが、十二所果樹園はさらにそこから徒歩で山道に入って行った場所にある。
鎌倉の中でも特にアクセスが悪いことから、秘境のような扱いになっているが、梅の木の数は鎌倉で最も多い。
目次
十二所
十二所は、鎌倉市の北東端にある地域で、横浜市金沢区と接している。
金沢区の朝比奈町と十二所をつなぐ「朝夷奈切通」は、鎌倉に入る主要な交通路「鎌倉七口」の一つとして知られている。
朝夷奈切通は、鎌倉七口の中でも最も当時の面影を残す切通といわれている。
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鎌倉時代の面影を今も残す「朝夷奈切通」
鎌倉には、山などを切り開いて作った切通しがいくつかある。 鎌倉にある切通の中でも、特に有名なものが「鎌倉七口」といわれる七つの切通しである。 目次 鎌倉七口 鎌倉七口とは、三方を山に囲まれた鎌倉に入る ...
朝夷奈切通の近くには、源頼朝の有力な家臣だった上総広常の館があったとされ、梶原景時が広常を殺害したときに太刀を洗ったとされる湧水が十二所側にある。
「梶原景時の太刀洗水」は、鎌倉五名水の一つに数えられている。
また、上杉禅秀の乱では、鎌倉公方の足利持氏が岩殿寺から十二所を通って、駿河の今川範政に助けを求めたといわれている。
十二所にある「鎌倉ものがたり」の案内板でも、十二所は「鎌倉の秘境」として描かれている。
鎌倉ものがたりによる十二所の案内板は、十二所神社から金沢鎌倉線に出た所にある。
十二所を鎮守している十二所神社
十二所果樹園
十二所果樹園は、三浦半島の付け根にある三浦丘陵地の一角にある。
鎌倉風致保存会が、緑地を守るために果樹園を買い取って果樹園の維持管理を行っている。
園内には、約400本の梅、約200本の栗、柚子は約40本が植えてある。
約400本の梅は鎌倉でも一番の本数を誇り、十二所果樹園は鎌倉の隠れた梅の名所となっている。
園内の中央には、標高149mになる展望台があり、展望台からは東京湾と相模湾が望める。
天気が良ければ、展望台から富士山や房総半島の建物を見ることもできる。
十二所果樹園へ
JR鎌倉駅から「金沢八景駅行き」か「鎌倉霊園行き」のバスに乗って、「十二所神社」のバス停で下車する。
信号を渡って表示案内通りに、住宅街を通って朝夷奈切通を目指す。
バス停から15分くらい歩くと、朝夷奈切通との分岐点に到着する。
十二所果樹園は、朝夷奈切通との分岐路を曲がらずに真っすぐ進んだ先にある。
写真の別れ路から10分ほど歩けば十二所果樹園の入口に着く。
分岐路を真っすぐ進んだ先も写真のような道が続く。
途中に資材置き場のような場所が出てくる。
分岐路から7,8分歩くと建物を見なくなる。山道は歩きやすかった。
十二所果樹園の入口。十二所神社のバス停から徒歩で25分ほどかかった。
十二所果樹園の案内図
案内板には、散策路以外へは立ち入らないように書いてあるが、右下のウメエリアはみんなお構いなしだった。
梅林のメイン通りは左下の緑色の一帯。
十二所果樹園の梅の見頃
十二所果樹園の梅の見頃は、2月中旬から3月上旬頃。
約400本の梅は白梅が多い。
最初、2月中旬に訪れた時には、ほとんど咲いてなかった。
写真は、3月1日に再度訪れた時のもの。3月に訪れた時は梅が見頃を迎えていて、梅の木の間を歩くと梅の香りがした。
園内の梅は、8割以上が白梅。
園内を歩いているとウグイスの鳴き声が聞こえた。
十二所果樹園の梅のメイン通り。
桃色の梅の花を咲かせる木も
アクセスが悪いせいか、平日の園内は閑散としていた。
展望台からの眺め
十二所果樹園の南にある階段を上って展望広場に行くことができる。
展望広場は、階段を上った先をさらに歩くとある。
階段を上ると鉄塔があり、右と左の分岐点となっている。
左に進むと展望広場、右に進むと金沢区側の出入口に着く。
左に曲がって下を見ると、白梅の木が満開だった。
階段を上った先は景色が良い。
天気が良ければ富士山が見えることもある。
展望台広場には、一つのテーブルとベンチがある。
展望台からは、東京湾と房総半島が見えた。
房総にある建物と東京湾を行き交う船の姿も見える。
展望台から見た富士山の眺め
交通アクセス
所在地 神奈川県鎌倉市十二所字七曲
アクセス JR「鎌倉駅」東口から電車に乗り、「十二所神社」で下車する。信号を渡り、朝夷奈切通に向かい、朝夷奈切通との分岐を曲がらずに真っすぐ進む。